2013年3月19日火曜日

ラセナマイシン


【テトラサイクリン系抗生物質】グラム陽性・陰性菌に強く作用し、リケッチア、クラミジアにもすぐれた作用を示す。作用機序はたん白合成阻害であり、静菌的に作用する。
《詳細》
テトラサイクリンは微生物のリボゾームの30Sサブユニットに結合し、リボゾームに対してアミノアシルtRNA(アミノ酸の結合したtRNAの総称)が結合するのを阻害する。ある程度微生物への選択毒性があるが、マラリアへの抗菌力がある位であるので全く真核細胞リボソームに結合しない訳ではない。テトラサイクリンとリボゾームの結合は、原則として可逆的である。
テトラサイクリンは静菌的な薬剤で、微生物の増殖を阻止して殺菌は宿主の免疫系に任せる薬剤であるので、古典的には殺菌的な代替薬(例えばペニシリン)のある状況で、敗血症や重症感染症に用いるのは勧められていない。ただし、この区分は臨床的にそれほど重要で無い、と考える識者も存在する。

<適応菌種>
ドキシサイクリンに感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,淋菌,炭疽菌,大腸菌,赤痢菌,肺炎桿菌,ペスト菌,コレラ菌,ブルセラ菌,Q 熱リケッチア(コクシエラ・ブルネティ),クラミジア属
<適応症>
表在性皮膚感染症,深在性皮膚感染症,リンパ管・リンパ節炎,慢性膿皮症,外傷・熱傷および手術創等の二次感染,乳腺炎,骨髄炎,咽頭・喉頭炎,扁桃炎,急性気管支炎,肺炎,慢性呼吸器病変の二次感染,膀胱炎,腎盂腎炎,前立腺炎(急性症,慢性症),尿道炎,淋菌感染症,感染性腸炎,コレラ,子宮内感染,子宮付属器炎,眼瞼膿瘍,涙嚢炎,麦粒腫,角膜炎(角膜潰瘍を含む),中耳炎,副鼻腔炎,歯冠周囲炎,化膿性唾液腺炎,猩紅熱,炭疽,ブルセラ症,ペスト,Q 熱,オウム病

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