2014年9月20日土曜日

局所麻酔薬

局所麻酔薬

① 局所麻酔薬の使用目的と適用方法について述べよ
② 局所麻酔薬の作用機序と知覚神経の感受性の違いについて述べよ
③ 局所麻酔薬の頻度依存性作用(frequencyor‐use‐dependent effect)について述べよ
④ 局所麻酔薬の構造的特徴と主な薬物について述べよ


① 局所麻酔薬の使用目的と適用方法

•  局所麻酔薬は局所に適用して知覚神経の伝導を阻害し、主に痛感を遮断する目的で歯科治療・簡単な外科治療・抗不整脈などに使用される。その適用方法には、粘膜等に塗布などを行う表面麻酔・手術部位周辺に注射し薬物を直接作用させる浸潤麻酔・神経内やその周囲に注射してその神経の支配領域を麻痺させる伝達麻酔・脊髄くも膜下腔に注入しその支配下の広領域を麻痺させる脊髄麻酔などがある。また、局所麻酔薬は局所に高濃度の状態で留めておく必要があり、血流による拡散を防ぐためエピネフリンなどの血管収縮薬と併用される。

② 局所麻酔薬の作用機序と知覚神経の感受性の違い

• 局所麻酔薬は神経軸索のNaチャネルに内側から直接作用し、Na⁺の流入を防ぐ。その結果、活動電位の上昇は抑えられ、神経伝導は遮断される。また、一般に神経線維の局所麻酔薬に対する感受性は、細い線維ほど高く、無髄線維は有髄線維より高い。よって、局所麻酔薬により遅く鈍い痛み(細い無髄C線維)、速く鋭い痛み・温覚(細い有髄Aδ線維)、触覚(太くて有髄のAβ線維)、深部感覚、骨格筋の緊張・随意運動の順に麻痺していく。


③ 局所麻酔薬の頻度依存性作用(frequency‐or‐use-dependent effect)

• 局所麻酔薬の遮断強度が、神経がどれだけの頻度(frequency)で、あるいはどのくらい前もって刺激されていたか(つまりどれだけ最近に使われていたか(use))によって異なること。つまり、興奮していない静止期の神経は、頻繁に刺激されている神経よりも局所麻酔薬に対する感受性が低くなるが、あらかじめ高頻度で刺激されていると、局所麻酔薬の遮断効果は増強されるということ。
  ( Na⁺チャネルが開いた状態のときのみ、プロトン型の局所麻酔薬が結合でき、Na⁺チャネルが不活性化した状態ほど局所麻酔薬は強く、しかも持続性に結合できるためと考えられている。 )

④ 局所麻酔薬の構造的特徴と主な薬物

• 局所麻酔薬は脂溶性の芳香環グループと親水性のアミングループがエステルまたはアミド結合で繋がり、細胞膜を透過するためにある程度の脂溶性を持つ。その多くは弱塩基で、イオン化(親水性)・非イオン化(脂溶性)が混在し、一般に脂溶性が高いほうが強力である。炎症部位ではpHが下がっているので効きにくくなると考えられている。代表的な薬物としてコカの葉に含まれるコカインがあり、その他プロカイン、リドカイン、テトラカイン、ブピバカイン、ロピバカインなどがあり、

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