2013年11月2日土曜日

萎縮性膣炎

萎縮性膣炎(いしゅくせいちつえん)とはどんな病気なのでしょうか?

 萎縮性膣炎は、老人性膣炎とも呼ばれ、加齢により卵巣機能が低下し、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少する(あるいは無くなる)ために起きる、膣内の炎症のことを言います。閉経期以降の女性に多く見られます。


何が原因で萎縮性膣炎になるのでしょうか?
 健康な女性の膣内は、乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)という善玉菌の働きにより、常に酸性を保ち、一般細菌の増殖を防いでいます。しかし、加齢によって、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少する(あるいは無くなる)ため、乳酸桿菌が減少し、膣内の PH(ペーハー)バランスが崩れ、一般細菌が過剰に繁殖してしまいます。また、卵胞ホルモン(エストロゲン)が減少することにより、膣の粘膜が萎縮し、潤いもなくなり傷つきやすくなります。このことによって起きる膣内の炎症を萎縮性膣炎(老人性膣炎)と言います。


萎縮性膣炎(老人性膣炎)はどんな症状が出てくるのですか?

 主な症状は、黄色や血の混じった、膿状のおりもの(帯下)の増加。悪臭を伴うこともあります。また、膣の不快感、乾燥感や性交痛などの症状がでることもあります。



先生! 検査や治療はどのように行われるのですか。

 (1)検査は、問診や視診の後、症状によっては、専用の綿棒で膣分泌物を採取し検査をすることもあります。検査による痛みはありません。
 (2)治療は、エストロゲン補充のための内服薬の服用の経口投与や膣錠挿入などです。また、細菌に感染している場合、抗生剤等を用います。
 症状と病態にあわせた専門医師による適切な治療を早めに受けて下さい。決して怖がることはありません。

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